ピザの起源はどこ?古代の平焼きパンから997年の記録、ナポリ、世界へ
ピザは一人の発明者が一度に作った料理ではありません。生地を焼いて上に具をのせる平焼きパンの習慣は古代からあり、「pizza」という語の最古の記録は997年のイタリア南部ゲータの文書で、現在のトマトとチーズのピザの形が整ったのは18世紀から19世紀初頭のナポリとされます。確かな点と、説が分かれる点を分けて整理しました。

古代の平焼きパンは、ピザの祖先であって同じ料理ではない

古代ローマから中世まで、ピザに似た食べ物の記録は各地にあります。紀元前6世紀、ダレイオス大王の時代のペルシャの兵士が、盾の上でチーズとナツメヤシをのせた平焼きパンを焼いたという話や、古代ギリシャ人がパンに油、ハーブ、チーズを合わせたという記録が紹介されます。ローマの叙事詩『アエネイス』にも、ピザに似た食べ物への早い言及とされる、飢えたトロイア人が自分たちの「食卓」を食べるという予言の場面があります。[1]
2023年には、ポンペイの遺跡で、銀の皿に載った食べ物の中にピザに似た料理が描かれていると見られる壁画が発見されました。イタリアの文化大臣は、現代のピザの「遠い祖先かもしれない」と述べています。これらは、生地を焼いて上に味を重ねるという発想が古くからあったことを示しますが、トマトもチーズも使う現代のピザと同じ料理とは言えません。
ブリタニカ百科事典は、ピザをイタリア発祥で、平たい円盤状のパン生地に、オリーブオイル、オレガノ、トマト、オリーブ、モッツァレラなどをのせて焼いた料理と説明しています。古代の平焼きパンは、現在のピザの祖先の一つとして、イタリア以外にも広がる地中海の食文化の一部として理解するのが適切です。
「pizza」の最古の記録は、997年のゲータの文書

「pizza」という語が確認できる最も古い例は、997年5月にイタリア南部のゲータで書かれた、ラテン語の公証文書とされています。当時ゲータはビザンチン帝国の一部でした。文書には、ある土地の借り手が、司教に毎年、クリスマスに豚の肩肉と腎臓、イースターに鶏2羽と「12のpizze」を納めることが記されています。
この文書の「pizze」が、現在のピザと同じ料理だったかどうかは、文書だけでは分かりません。語源にも諸説あり、ギリシャ語の「ピッタ(平たいパン)」から来たという説、ロンバルディア語の「bizzo」(ひと口)から来たという説、「pinza」(はさむ)から来たという説などがあります。[2]
ピザはこの後も長く南イタリアの庶民の食べ物でした。英語に「pizza」が入ったのは1930年代で、それまで英語圏では「トマトパイ」と呼ばれていた地域もあります。
トマトとチーズが定番になるまで

トマトはアメリカ大陸原産で、ヨーロッパに伝わったのは16世紀以降です。そのため、トマトをのせたピザが16世紀より前に存在したことはありません。ピザにいつトマトが加わったかは、多くの説が対立していて、はっきりしていません。
トマトが加わる前、平焼きパンの上には、にんにく、塩、ラード、チーズなどがのせられていたと説明されます。ブリタニカによると、ローマ風のピザは今でもトマトを使わず、玉ねぎやオリーブをのせることが多く、ナポリのピザは、水牛のモッツァレラやフィオルディラッテ、サンマルツァーノ種のトマトなどを使うとされています。
現代のピザは、18世紀から19世紀初頭のナポリで、同様の平焼きパンから発展したと説明されます。1830年頃までピザは屋台や窯の売り場で売られ、その後、ナポリのピッツェリアにテーブル席が置かれて、店内で食べられるようになりました。
マルゲリータ伝説と世界への広がり、PIZZA DBのおすすめ

1889年に、ラッファエーレ・エスポージトが王妃マルゲリータのために、トマト(赤)、モッツァレラ(白)、バジル(緑)でイタリア国旗の色を表したピザを作った、というのが、マルゲリータの有名な由来です。ただし後の研究では、当時の新聞にこの訪問の記録がないことや、この物語と名前が広まったのは1930〜40年代だったことから、伝説の真偽には疑問が示されています。[3]
ピザは19世紀末にイタリア系移民によってアメリカへ運ばれ、1905年にニューヨークでロンバルディーズが開業しました。ニューヨークスタイルピザなど、各地のスタイルに発展し、そこから世界に広まりました。ナポリのピザは2009年に欧州連合の伝統的特産品保証に登録され、2017年には「ナポリのピッツァ職人の技」がユネスコの無形文化遺産に登録されています。
PIZZA DBのおすすめ:起源を知ったあとは、同じ「生地に具をのせる」系統の、トルコのラフマジュンや、マナキーシュ、トルコピデ、イタリアのピアディーナを食べ比べると、平焼きパンの広がりを味で確かめられます。テトの実用コメント:歴史の説明は、「最古」「発明」と断定している資料より、「とされる」「諸説ある」と書いた資料を優先して読むと、間違いが少なくなります。
よくある質問
ミトが気になったことを、テトがやさしく答えます。

ミト
ピザの発祥地はどこ?
テト
現代のピザの形は、18〜19世紀初頭のイタリア・ナポリで発展したとされるよ。ただ、平焼きパンまでさかのぼると地中海各地に似た料理があって、一つの国だけには決められないんだ。


ミト
古代の平焼きパンはピザなの?
テト
同じ料理とは言えないよ。生地を焼いて上に具をのせる発想の祖先として見るのが正確。トマトもチーズも使う現代のピザは、もっとあとに整ったからね。


ミト
マルゲリータは本当に王妃のために作られたの?
テト
1889年に王妃マルゲリータに捧げられたという話が有名だけど、当時の新聞に記録がなく、物語が広まったのは1930〜40年代だという研究もあるよ。だから、由来は伝説として読むのが安全。


ミト
ピザにトマトを使い始めたのはいつ?
テト
はっきりした時期は分からないよ。トマトはアメリカ大陸原産で、16世紀より前にはピザにのらなかったことだけは確か。そのあとのいつからかは、説が分かれているんだ。


ミト
昔のピザは店で食べたの?
テト
1830年頃までは屋台や窯の売り場で売られていて、そのあと、ナポリのピッツェリアにテーブル席ができて、店内で食べられるようになったと説明されているよ。

注釈
画像について
ヒーロー画像と各セクションの画像は、各時代や食材の雰囲気を示すAI生成イメージです。特定の時代、場所、人物を記録した写真ではなく、史実の再現でもありません。
参考資料
関連するピザ

トルコピデ
トルコ / 各地
舟のような形に成形して焼く、トルコの伝統的なフラットブレッド。チーズやひき肉、卵など様々なバリエーションがある。
- ひき肉
- チーズ
- トマト

マルゲリータ
イタリア / ナポリ
トマト、モッツァレラ、バジルを組み合わせる、ナポリを代表するピザ。赤・白・緑の彩りと、生地の香ばしさ、トマトの酸味、チーズのまろやかさが特徴。王妃にまつわる命名の逸話も知られています。
- モッツァレラチーズ
- バジル
- オリーブオイル

ピッツァフェッタエッリニキ
ギリシャ / 各地
ギリシャ風サラダの要素を取り入れた地中海らしいピザ。フェタチーズの塩気とオリーブオイルの香りが爽やかな一枚。
- フェタチーズ
- オリーブ
- トマト

マナキーシュ
レバノン / 各地
中東の朝食の定番フラットブレッド。タイムなどのハーブとゴマ、スパイスを混ぜた「ザアタル」をオリーブオイルと共に生地に塗って焼く。
- ザアタル
- オリーブオイル
- ハロウミチーズ
次の一枚を探す
ピザ一覧関連記事
ニュース400℃ PIZZA OSAKA、JR大阪駅西口の「バルチカM」に大阪初出店へ
JR大阪駅西口改札前に2027年3月開業予定の「バルチカM」へ、岡山発の400℃ PIZZAが大阪初出店を発表。個別メニューは未発表です。
- 大阪
- 新店
ニュースグランドメルキュールなどの秋冬ブッフェにリンゴとチーズのピッツァ
アコーのホテル22施設が11月から秋冬メニューを展開。ディナー共通メニューにリンゴとチーズのピッツァを掲載。
- 全国
- ホテルブッフェ
ニュース発酵から焼き上げまで店内で イオンスタイル諏訪、10月21日開店で「ピッツァソリデラ」
10月21日開店予定のイオンスタイル諏訪は、店内調理のピッツァソリデラを導入。マルゲリータの具材、約60席のイートイン、店舗と専門店の営業時間を整理します。
- 下諏訪町
- イベント
ニュースつくばのイオンで「常陸乃国しらす」のピッツァを計画 10月25日開業へ
イオンスタイルつくば学園の森が、県認定ブランド「常陸乃国しらす」を使う店内焼き上げピッツァを計画。仕入れによる条件、ブランドの背景、10月25日の開業予定を整理します。
- つくば
- 茨城県
新着記事
ニュース11月のハットの日、810円の新ラインアップと250円サイドが11月8〜10日に登場
日本ピザハットが11月8〜10日のハットの日を発表。持ち帰りMサイズは810円から、新登場のラザニア風ミートソースとペパロニクラシックが810円シリーズに入り、250円サイドにはごはんピザも加わります。
- 全国
- ピザハット
ニュースパイナップルピザを拒んで解雇されたイタリア人シェフ、豪労働委員会は期限切れを理由に申し立てを退ける
オーストラリア・ブリスベンのレストランで、パイナップル入りピザの調理を拒んだイタリア人シェフが2026年5月に解雇された問題で、フェアワーク委員会は11月3日、申し立てが期限を過ぎていたとして退けました。
- ピザ関連の出来事
- ピザクック
ニュースモリナポが直径15cmの食べきり冷凍ミニピザ「PICO」全3種を発売、740円から
金沢発の冷凍ピザブランド「モリナポ」は2026年11月5日、直径15cmの冷凍ミニピザ「モリナポPICO」全3種の販売を公式通販サイトで始めた。マルゲリータ740円、貝柱トマト850円、クワトロ780円で、専用スリーブ付き。
- 全国
- 金沢
ニュースドミノ・ピザが「Minecraft Dungeons II」とコラボ、11月9日から特典付きセットを発売
ドミノ・ピザは2026年11月9日から12月20日まで、『Minecraft Dungeons II』とコラボしたセットを期間限定で販売する。スクイーズ付きのAセットと、シールと週替わりのゲーム内アイテム付きのBセットがある。
- 全国
- ドミノ・ピザ